【合格体験記(Ⅱ)】

合格体験記
平成26年度生 白石 舞

高校受験を控えた中学3年生の時に体調不良で入院したら悪性リンパ腫であることが判明しました。癌の治療は活字や映像を通しての想像をはるかに超えた壮絶なものでした。気持ちの上で病気に負けてしまう時もありましたが、家族も友人も私の回復を信じて激励を絶やしませんでした。また、この病院では心から信頼できるお医者様と看護師さんに出会えましたので、1年間の闘病生活に勝利できました。
私は、この体験を通して、今度は自分が重病の患者をどこまでも激励してゆく存在になろう、なんとしても看護師になるのだ、と決意するようになりました。
入院のために高校に進学できなかったので、1年遅れで通信制の高校に入学しました。親には治療費で大変な負担をかけていましたので、予備校の学費は1年間のアルバイトで貯めました。予備校の選択はある大手の看護予備校と最後まで迷いましたが、臨床アカデミーの昼間部に入学しました。中学の学習も修了していないレベルでしたので予習も復習も大変でしたが、南浦和教室の他にも池袋や川越まで押しかけていき、塾長にまとわりつきながら勉強しました。
しかし、受験の結果は癌と同じで冷酷です。努力や願い事などは聞きいれてくれません。なかなか合格にたどり着けないので、二次募集の対策の授業を各先生方から真剣に受けていました。この頃になると嫌いだった英語がだんだん好きになってきて、辞書を引くのも楽しくなりました。英文は文型や文法を踏まえて考えると理解がより正確になることも実感できるようになりました。その様な中、2月の19日の朝に補欠の繰り上げ合格の通知をいただきました。しばらくは信じられませんでしたが、じわじわと嬉しさがこみ上げてきました。入院中も家族や多くの病院のスタッフに支えられましたが、今回の入学試験も最後の最後まで面倒を見てくれた先生方に感謝します。また、私はたまたま癌病棟を生きて出られました。この生かされた命を今度は私が看護師になって小児癌の患者に捧げたいと決意しています。

-2015年02月21日-